あとがき
原作を改めて読んでる。アニメもちょこちょこ見直してる。
映画を観てから原作に戻ると、彼らの関係性、成長、仲間としてまとまっていく姿がものすごく細かく描かれていることに気づく。
流川は花道を実はよく見ていて、認めてるからこそチームメイトで唯一、異変に気づいてたし、過去の試合でも常にフォローしてるのがわかる。花道も流川のすごさを実感しているからこそ、限界でも流川にパスを出した。翔陽戦や海南戦でその辺はもうわかるけど、豊玉戦・山王戦でのふたりの覚醒っぷりがすごい。バスケ選手として高めあうライバルになってる。
あと、リョータとミッチーの関係性もいい。
原作を改めて読むと、ふたりが兄弟のように見えるのです……。動きがシンクロしていたり、一緒に体育館に行ってたり、追試前にゴリの家で一緒にソファで寝ていたり、リョータが新キャプテンになったときにはミッチーがヤジ飛ばしてたり。仲良しかよ。愛しいわ。
そしてゴリは、桜木・流川・宮城・三井の問題児たちをまとめ、ついに全国の舞台へ。山王・河田を相手に何をやっても適わない河田を相手にするも、それでも勝利をあきらめない仲間が自分にはいることに気づき、チームのために身体を張る。泣ける。
最近、劇場に行くと、春休みだからか学生がすごく多い。ひとりで来てる子もいれば、バスケ部数人で来てる子もいるし、久しぶりに会って男3人でスラムダンクを観に来てるって子もいた。26年前に連載終了してるのに、すごいなあ。うれしいなあ!
逸材がふたりいると谷沢に伝えたかった安西先生。連載終了後、2004年に廃校で行われた「あれから10日後-」には日本人初のNBAプレイヤー(田臥選手)が誕生した話が描かれていて、現在は渡邊雄太と八村塁という2人の日本人NBAプレイヤーがいる。今年は沖縄でワールドカップが開催される。現在の男子日本代表チームは、富樫選手(167センチ)と河村選手(172センチ)という小さいPGがものすごいスピードでコート内をかき回し、相手チームの大きな選手を圧倒している(もうひとり、188センチあるけどテーブス選手もめちゃくちゃ速いPG)。何かに導かれたようなこのタイミング。すごすぎる。現実とつながっている感。震える。
とくに山王戦については、いろんな考察が出てる。「湘北が山王に勝った理由」とか「桜木のケガは何だったのか?」とか。戦術についてバスケ経験者が語っているのもおもしろくて見入ってしまった。そのTwitterで、もう1回試合したら山王が勝つってのを見た。それはほんとにそうだと思う。
そして、花道のその後について。ネットで花道のケガは脊髄損傷じゃないかってのを見かけた。選手としては、もう戻れないんじゃないか……とも。だからこそ、車いすバスケを題材にした「リアル」っていう作品があるんじゃないか、と。ぞわっとした。
でも、連載終了後に発売されたカレンダーやイラスト集では髪の毛がのびた姿でプレイしている花道が描かれているし、UNOのCMでもダンク決めてる花道は髪が伸びた状態だった。リバウンド王でありリハビリ王である花道なら、絶対に戻ってくる。だからこそ、少し先の未来で冬の国体に間に合った花道が描かれているんだと思う。
さて、長文失礼いたしました。思わずたくさん語ってしまいました。
しかし、それがスラムダンクなのです。
スラムダンクといえば、晴子さんが花道に「バスケットはお好きですか?」と声をかけたことが物語のはじまり。
試合に出たくてうずうずし、出たら緊張し、県内一の高さを誇る翔陽戦でリバウンドの実力を発揮し、海南大付属に負けて涙し、IH出場をかけて戦った陵南戦では自らのダンクで得点したあとに練習試合の悪夢を起こさせまいとすぐにディフェンスに戻る指示を出すまでに成長した花道。わたしも一緒にバスケに夢中になってきました。
そして最近、豊玉戦での北野さん(豊玉高校の元監督)のセリフ「バスケットは好きか?」を思い出します。
日々に追われ、外のせいにし、ほんとうにやりたいことをしないで何をしているんだと。
わたしは今、大好きなことをしているだろうか、と。
そう聞いてくるのがスラムダンクだと思ったのです。
映画では描かれなかったけど、山王戦の残り1分のベンチで花道が晴子さんに伝えた、「大好きです。今度は嘘じゃないっす」というまっすぐな言葉。
みなさんはいかがでしょう。
大好きなこと、していますか?