まず、わたしのSLAM DUNK遍歴をお話させてください。
きっかけは、小学校高学年のころにクラスメイトのミニバスに所属している子たちが話題にしていることでした。
人気者グループが何を話しているのか耳をそばだてていて、聞こえてきたのがSLAM DUNKの話。
すぐに買いに行って、一気に読んだ記憶があります。
当時は、7巻くらいまで出ていた気がする。
いつの間にか仲良くなり、小学校6年生のときには放課後、ミニバスメンバーに混ざってバスケをする日々でした。
そして中学校。晴れてバスケ部に入部しました。
1年生が出場する新人戦は背番号10。花道と同じ番号でうれしかったなあ。
それからはもう、バスケに夢中!
部活がない日には放課後にミニバスメンバーと体育館に行ってバスケをし、単行本を片手にドリブル、パス、庶民シュート、ワンハンドシュートの練習。(どうしてもワンハンドシュートが打ちたくて、フリースローやロングツーの距離まではワンハンドで打てるようになりました)
花道とともに、ひとつずつ技術を身に付けてきたのです。
中学ではシューティングガード、高校ではポイントガードを経験し、キャプテンを務めました(PG=キャプテンだったのです)。
大学・社会人になってからはお遊び程度になってしまったけれど、現在はBリーグ観戦に会場へ行くなど、ずっとそばにバスケがある人生でした。
そうして時は流れ、2022年。
「THE FIRST SLAM DUNK」公開。
次のページからは、わたしが感じたことをどんどん書いていきます。
感動、驚き、感謝。
いま見返すと、もっともっとあるのだけれど、20回鑑賞時点での記録として、たのしんでもらえれば幸いです。
「THE FIRST SLAM DUNK」の感動・驚き・感謝を綴る
ここからはわたしが観た感想、驚き、感謝をひたすらに語っていきます。
言いたいことは「スラムダンク最高!」ということだけなので、思ったこと気づいたことをひたずらに綴っているだけなのですが、共感いただけるとうれしいです!
1.ピアス=リョータの話だった
「もう帰ってくるなあ!」から17歳のリョータへ時間が移動する。
1回目を観たときは父に続いて兄も……の衝撃強すぎて時間長く感じたけど、2回目以降この事実にたどり着くまでものすごい短い時間でびっくりした。試合の場面にいくためにかなり省略したんだろうなあと思う。
ピアスの話は、たしか「パラレル的な話」って聞いた記憶があるけど(違ったらごめんなさい)、今回でリョータの話と確定。アヤちゃんも「あやこ」なんだと。彩子さんの耳にピアス跡があるとツイート発見して耳に注目してみたら、たしかに穴が!
2.「いってくる」「バン!」からの鉛筆描き
これはもう観たひと全員が言ってるけど、あの鉛筆描きのオープニングよ!
みんな生きてた。生きててくれた。また会えた。ありがとう!
涙どばあ!
下じゃなくて、前に涙飛び出た。声優変更とかいろいろあって、観ない! て思ってて、さらにアニメと違うテイストの3Dな感じだったから勝手にがっかりさせられるんじゃないかと思ってた。(当時のわたしをぶん殴りたい)
でも、このえんぴつ描きを観た瞬間、井上先生の絵が! スラムダンクしてる!
あのときのままの湘北メンバーが帰ってきた! ありがとうぅう!
3.階段から降りてくる山王
映画化が発表された時点で、山王戦かなっていうのは予想してた。そして予告編見て確信した。
だから、わかってたのよ。だれが出てくるかなんて。わかってた。わかってたし、わかってたのよ。なのによ。階段降りてくる山王メンバー出てきて「秋田県代表 山王高等学校」て出てきた瞬間の鳥肌。
寒い。後に観たわたしの妹も言ってたけど、めちゃくちゃ寒くて、風邪ひいたかと思ったくらい。それくらいの鳥肌。
なんだったら、これ書いてる今も寒いんです。
4.The birthday 「LOVE ROCKETS」
湘北メンバーがひとりずつ現れて、「神奈川県代表 湘北高等学校」ドヤッて出てきて、横線が描かれ始め、降りてくるのは山王メンバー。
これもみんな言ってたけど、Thr birthday「LOVE ROCKETS」のイントロでひとつずつ音が入ってくる感じ(これは井上先生のリクエストだったそう)からの「ワルモノ見参」を表現したかと思えば、次に絶対王者の山王メンバー。
ひとつの曲で、湘北のガラの悪さと山王の王者感を表現したのが、ほんとうにすごい。
5.色がついてセンターサークルへ
モノクロだった湘北メンバーに色が塗られて、声は入ってなかったけど、ゴリの「行くぞ!」からの全員で「おお!」でセンターサークルへ。
あああああ始まる、試合がはじまる!!!
公開開始当時はウィンターカップやってたし、Bリーグも試合開始は選手たちの気合いが見えるから、「試合開始」の感じがたまらなかった。
アニメ化が叶わなかった山王戦。これから山王戦が観られるワクワク感がすごかった!
6.深津のディフェンス
試合開始後、湘北ボールになり、リョータがボールを運ぶ。すぐに、深津!
深津は司令塔としてのパスの技術やゲームメイクはもちろんのこと、ディフェンスもすごいと原作でも書いてあった。
けど、マンガ以上のディフェンスの迫力。
映像になると、常にドリブルカット狙っててボール持ってないときもフェイスガードはんぱない。すごい。
ほんと、「牧以外ならとっくにとられてるところだぜ」レベル。
詰め方、手の出し方、圧のかけ方、おそろしい。
なのに、ボールカットされたの残り2分のあの場面だけっていうリョータ。
これも、ものすごい。ふつうのガードならハーフライン手前でとられて、沢北に走られて、さらには河田のダンクが決まっちゃう。深津の迫力。ほんとすごかった。
7.バスケの音
とくに轟音で観たときの最初のソータとリョータの1on1、ふつうの劇場ではバインバインって音だったけど、音がいいスクリーンで観たときはダムッダムッがより強く聞こえた。
アリウープやリバウンドで花道が踏み込む音、深津の床バン! ネットにボールが入る音、バッシュの音がすぐ近くで見ているようだった。リアルな音、大事にしたんだろうなあ。
8.リョータの回想
「リョータの過去が辛すぎて2回目行けない」ていうコメントをいくつか見た。
たしかに試合だけ観たいのはわかる。でも、それだとつまんないのよ。
映像も音ももちろんすばらしいから、評価は得るだろうけど、井上先生が描きたかったのは、痛みから一歩踏み出すこと。
原作であまり触れられていなかったリョータだけど、翔陽の藤真、海南の牧、微妙だけど豊玉のでかいガードとやりあってきたリョータはすごいのよ。その背景を今回知ることができたし、だからこそ試合のシーンがよりグッとくる。
新海監督の感情曲線でいうならば、ちょっと下がって上がっていくのがずっと続く感じ。飽きない。
だからこそプレス突破シーンなんて、スラムダンク知らなくても号泣する人続出だったんだと思う。
最初から最後までリョータ目線。すばらしい!
9.時代の再現
オープニングから湘北メンバーが「生きてる!」「そこにいてくれた!」と感謝してたんだけど、そこは90年代の世界。
ルールは当時のままだし、とくにリョータの家ではそれを感じさせられた。
テーブルには大きな炊飯器、CDラジカセ、ブラウン管テレビ、VHS。とくに冷蔵庫は音まで再現されていた。
(最初何の音かと思って、Dolby Atmosで観たとき気づいた)
これに気づいたとき、「ああ、彼らは今の時代にはいないんだな」とすこし切なくなった。
10.ゲームクロック
ショットクロックがちゃんと切り替わる……。序盤はここまで注目できなかったけど、ほんとに実写と同じなのよ。
時計のカウントダウンも最初から最後まで表示されてるし、なんなら体育館の時計も進んでた……。
これ、ゲームクロックと登場人物たちの動きをぴったり一致させるのに、どれだけ時間かけたんだろう。
1秒どころか0.1秒単位の世界。映画の公式サイトにある「Court Side」でプロデューサーの松井さんが原作をモーションキャプチャしたら、マンガで描かれてるスピードと実際の秒数がぴったり同じだったと……。すごすぎる。

11.息づかい、返事のタイミング
おそらくアニメだと同じ呼吸数、もしくはミッチーだけ荒いくらいじゃないだろうか(今の技術だと違うのかもしれないけど)。
後半開始早々、山王がプレスをかけてきて、それで一気に点差が開いたあとのタイムアウトで、リョータがいちばん肩で呼吸してた。
「はい」「うす」とか返事のタイミングも、ポカリ飲むタイミングも自然すぎて、ほんとにタイムアウト時にカメラが寄っていった画になってた。
12.ユニフォームの揺れ
ドリブルで抜くとき、ジャンプするとき、歩いてるとき、ブロックするとき、転んだときのユニフォームの揺れ!
中に履いてるインナースパッツが見え具合まで表現してる。
足の開き具合などのプレイの見え方、リストバンドの向きまで井上先生が指示してたみたいだから当然なのかもしれないけど、ここまでやる徹底さ!
13.あるものを描く
試合中盤、彩子がリョータの手に「No.1ガード」と書く。要所で手のひらを見るリョータ。フリースローのあとの手のひらに、ちゃんと「No.1ガード」が書いてあるのが見える。(その後もよーく見ると、汗で薄くなってるのも確認できる)
しかも、この場面。原作では、けっこう小さいひとコマだった。
原作当時から、このやりとりの重要性を小さいけれど描いていたのがすごい。
花道主役だから掘り下げられなかったけど、ここで掘り下げるなんて。
ていうか、リョータ目線の映画化なんて、だれが想像しただろう……!
26年経って描くとか、それまで出さずにいたとか。どういうことなのって思うほど。鳥肌。また寒い。
14.目線
ベンチメンバーの目線まで動かしていた以上に、試合に出てるメンバーの目線がすごい。
試合中にどこを見ているのか。リョータはもちろん、流川の「そんなタマじゃねーよな」前の三井を見る目。花道のゴリや三井を見る目。ベンチからコートに戻るときのヤスとリョータのハイタッチのときの目線。
生きてるって感じるのは、身体だけじゃなくて目の動きがリアルだからなんだと思う。
15.会場にいた人を映画でも
ベンチ裏の魚住、警備員に挟まれた魚住、海南、大阪代表・大栄学園、愛知代表・愛和学院、テツ沢北、相田弥生&中村記者までは見つけた。1回目のときは、海南しか気づかなかった……。(29回目の現在、深体大のふたりは見つけた!)
演出の宮原さんのインタビューによると、原作にいた人は全員いるらしい。
あとは、名朋工業の森重と監督、深体大の監督と杉山さん、河田母……。
まだいたかなあ? 魚住は警備員に挟まれてたから、かつらむきやったのかな(笑)。
あと、応援団。完璧に能代工業の応援だった。同じ。すごい。
16.描き切れなかったマンガ要素を一瞬でも
ミッチー復帰時の体育館。
奥に彩子さんと安西先生に見られながらドリブル練習する花道の姿が(笑)。
試合前日、1年前の山王vs海南のビデオを見ているときの花道のかんたん顔。
原作から反映させてて、ツボだった。花道かわいい。
17.バスケは人生で大切にすべきことを教えてくれる
リョータ少年期。
ミニバスで相手チームがレギュラーを出してきて、兄のことを言われ、すっかり弱気になってしまうリョータ。ボールをもらうのにも相手ディフェンスに隠れながらになってしまうリョータに「リョータ、強気ぃ」と味方から声が。
これ、バスケではほんとうに基本だし、人生も同じ。
弱気でいたら、その結果しかやってこない。堂本監督の言葉を借りるなら「どれだけ自分を信じられるか」。
18.花道のちょいちょい入ってる声とか表情とか仕草とか
ゴリラダンクのときに「ッシャ!」とか、リバウンド後に囲まれて、流川に「パス」言われて→「ふん!」→リョータにパス→リョータから流川にパス、で「あー!」って叫ぶ花道。
ポール(野辺)がリバウンドとったあとにボールスナップしようとしたり、河田に合宿シュートブロックされて、湯気が出てたり、ゴリが飛んだあとに松本をブロックしてゴリとハイタッチして手が腫れてたり。花道、いいわあ。見ちゃうわあ。
19.ゴリの新解釈
柔道部の青田登場回で小学校から全国制覇を目指していたと明かされるゴリ。中学で負けたときには「高校で全国制覇だ」と言っていた。
でも、なぜに全国制覇を目指しているのかは描かれていなかった。弱小チームなのに全国制覇。
ミッチーが入って実現可能に見えたけど、やめちゃって。
でも1年のときから海南と戦うことを夢見てきたとか。上級生どころか、同級生にまで煙たがられて、問題児軍団を束ねないといけないし、赤点とったスタメン4人のために追試のお願いに頭下げて、勉強まで教えてあげて。花道の練習を夜までやって、ケガしてもコートに立つ。自分ががんばることで、ふんばることでチームを助けて守ってきた大黒柱。実力も日本一の大学に声かけられるほど。
なのに、河田には勝てない。あんなに練習したのに勝てない。
それを知ったときのショック……。
でも、そこで、自分の願いは全国制覇よりも同じ目標のためにともに戦える仲間を得ることだったと知る。涙。
20.ベンチメンバー、客まで動かす
ベンチメンバーの身体の動き、目線が最初から最後まで動いてる。山王ベンチも。お客さんも動いてる。
試合内容に合わせて動くのすごすぎる。どうやってやったのか全くわからん。ここまで動かすと大変でしかないだろうに……。
22点差ついたとき、帰り始める客まで動かしてる……。ゴール裏にいるカメラマンまで動かしてる。もはや現実。

21.ミッチーとリョータのケンカシーン
原作では、安田と潮崎がケンカの原因を「よくある話さ。生意気で目立っていた宮城を上級生グループがシメようとしたんだ。6~7人に囲まれて、宮城に勝ち目はなかった。勝ち目がないと思った宮城は頭の三井って人だけを狙ったんだ」という説明があり、実際に三井だけを狙っていた。
そのまま信じてた。
でも、今回の映画でミッチーとリョータは中学時代に会っていたことが判明。バスケがうまくて年上、まっすぐな気持ちでバスケに向き合っていたミッチー。そこにソータを重ねたリョータ。
「いつでも1on1やってやるよ」と言い放つも、屋上に呼ばれたときに震えていた手、悲しい目……。もう何もかも嫌になって、ぶちギレるリョータ。ミッチーもまた、ゴリに期待されているリョータがうらやましい、ほんとはバスケがしたい。こんな形でしか発散できなくなってしまっている。ゆがんでねじれて悲しいシーンだった。
今回の映画でいちばん驚いたのがこのシーン。大人数に囲まれたから頭であるミッチーを狙ったんじゃなくて、ちゃんと理由があってやった。こんな伏線回収があったなんてなあ。
後に、インターハイをかけた試合で陵南・田岡監督から、ミッチーもリョータも安西先生がいるから湘北を選んだという描写があるけど、リョータはミッチーがいるから湘北だったのかもしれない。でも、入学したらいなかった(結果的にアヤちゃんがいたから入った)。映画を観ると、リョータの性格上、ミッチー目当てで湘北に入りたかったとは言わないだろうから、ミッチーが尊敬している安西先生を入学の理由にしたのかもしれない、という勝手な考察。
22.ベンチを見るリョータ
試合後半、8分間ノーゴールの湘北。花道にリバウンドを改めて認識させ、コートイン。
リバウンドからゴール下を決めたあと、ディフェンスに戻りながらベンチを見るリョータ。映画では一切描かれていなかったけど、原作では1回目のプレス突破場面で「アヤちゃん♡」とベンチを見る。場面は違うけど、後半初得点後にベンチを見たのって、「アヤちゃん♡」ってなってたのかなって妄想しちゃう。
23.花道交代中の試合のシーン①
試合序盤、顔面シュートが決まったあとの湘北ディフェンスにて。
よーく見ると、ベンチの前に座る花道の姿が。鼻血止めてるのが映ってる。
その間、コートには角田が。野辺にゴール下に押し込まれてるのがわかる。
24.花道交代中の試合シーン②
試合ラスト1分。花道負傷により交代。コートに戻ろうとするが安西先生に止められて、「桜木君、白状します」の場面。コートには木暮が入り、湘北ディフェンスのシーン。マンツーマンで必死に守る湘北。河田弟にゴリ、沢北に流川、深津に宮城、松本に木暮。
そして河田兄についてたのは、ミッチーだった!
ミッチー! 後半開始早々でへろへろでうぷってなりながらもスリー決めまくって目もちかちかしてたっていうのに、最後、河田兄にミッチー! 大学でもトップ3に入ると深体大の杉山さんがゴクリとしながら言うほどの河田兄にミッチー! ここは原作では映ってなかったから、気づいたときの衝撃ハンパなかった。
ミッチー、ほんとにすごいよ。
25.バスケ以外の音
波の音、虫の声、冷蔵庫の音、体育館の音、バイクの音、海水浴客の声。たぶんなくても、ないほうがセリフが聞き取りやすいだろうところまで音がリアルに再現されてる。
26.自分を認めて信じてくれる人がいる尊さ
3年生に「おめーは夏までもたねえな」と言われ、ムッとするリョータ。
そこへゴリがやってきて「宮城はパスができます」とひと言。驚くリョータ。
だれかが自分を認めてくれるっていいですねえ。
27.モッパーの活躍
試合のセリフの合間やちょっと長く時間が空くところって、ふつうの試合じゃありえないから違和感出るんだろうけど、モッパーがいた!
ちょいちょい映ってるけど、
「オレは今なんだよ!」からの流川のプッシングファウル時、「目障りなんだよ。そんなとこに突っ立ってると。出るなら出ろ、どあほう」で、モッパーがコート拭いてるの、グッジョブすぎる!! ついでに、レフリータイムをとるのにちょっと間があるのもグッジョブ!!
審判のジャッジもすばらしかった。
28.リョータの誕生日
原作の時点でリョータの誕生日が7月31日ということは知ってたけど、出発前夜にこんなやりとりがあったのか。
ソータとのこと思い出して、母ちゃんがソータのビデオ見てて、その姿をリョータが見て。あんな手紙を書いて。
でも、高校生だから広島への旅費もバッシュも食費も親に出してもらってる。ごはん作ってもらって生活してる。
いろいろ考えての手紙。あれは世のお母さんたち泣くわ。
けれども、翌日。広島への移動中に新幹線で豊玉とひと悶着あって、試合でも揉めまくり。
悲しい家のことがありつつも、豊玉の挑発にのっちゃうのもリョータ。誕生日から感情揺れまくりで大変だわ……。
それがリアルな高校生な感じでよかった。あと妹の、家族をつなぐ役割を担う感。これも、ものすごくリアル。
29.原作と同じところで泣かせる
原作読んでて泣いたのは、試合終盤の残り1分切ったところで花道がケガから試合に戻っての湘北ディフェンス。AAランクとCランクと書かれながらも、何度も這い上がってとうとう山王を追い詰めるところまで来た湘北。何度も離されながらも、必死で粘り強く戦ってきた。ディフェンスは気持ちなのです。ここでメガネくんの「頼む、がんばれ。桜木がんばれ、宮城、流川、三井がんばれ、がんばれ赤木!」
どばあ!!!(;´༎ຶД ༎ຶ`)
もうそのままなのよ。原作が。そのまま動いてるのよ。マンガで脳内再生したまま、動いてるのよ。それを映像化してくれたってのが驚きでしかない。
30.山王メンバーのかっこよさ
後半、20点差開いたあとのディフェンスに戻る山王。振り向いて画面に入ってくるシーンがかっこよすぎ!
あと、沢北の「よーい、ドン!」もかっこよすぎ!!
深津の腰に手あてる感じ、リアルすぎ!!

31.花道のコートに突っ伏す姿
残り1分を切り、花道コートイン。
河田弟にゴール下に押し込まれ、兄からパスを受けた弟のシュートを「ダンコ桜木」でブロック。
そのあと、リョータがボールをキャッチして「行くぞ、流川!」になるところ。
後ろを見てると、花道がコートに突っ伏して動けなくなっていく様子が映ってる。泣いた。
殴られても蹴られても平気なのに、どれだけ痛いのか。まだ15歳なのよ。
32.2度目のプレスにすぐに気づくミッチー
残り2分を切ったところ、5点差になったところをすぐに7点差に戻し再度プレスをかけてくる山王。
すぐに三井が気づいて、ボールをもらいに戻って両手を広げる。
ミッチー、あなたもう限界じゃないの……すぐに気づいてボールもらいにいく体力どこに残ってるの……(涙)。
バスケIQ高くて、すぐに動けるのほんとすごい。
33.待ってたぜ、問題児
リバウンド指示されてからの花道コートイン時のリョータのセリフ。
原作では言ってないセリフだけど、原作知っていれば、ふたりが問題児だってことはわかるし、ゴリとのやりとりが映画で追加されていたことで、このシーンが際立っていた。
最初、めちゃくちゃなケンカしてたこととか、ふたりとも好きな女の子のためにバスケやってたりとか、この関係性が当時も好きだった。「待ってたぜ、問題児」って言われた花道が感動する印象的なシーン。
34.いつどこに誰がいたのかが、最初から最後まで再現されている
マンガ自体も、こまかく描かれているけれど、それ以上に動かして時間を進めてマンガ通りにするって大変なことだと思う。実際マンガだと映ってない箇所も映画にすることで動きを入れる必要が出てくる。
だから、マンガをふつうにアニメにしても無理だと思う(素人でもそう思う)。
秒数、スペース、花道の予測不可能な動き、山王のディフェンス。すべて計算されてシミュレーションを何度もやって何度も修正したんだろうと思う。井上先生が監督に入ってなかったらここまでできていないはず。まじですごい。ほんとに試合を観ている感覚だった。
おもしろポイントをひとつ。ミッチーの4点プレイ時にリョータ・ミッチーがグッのポーズをして、それに花道が返しているとき、流川は前髪直してた(笑)。(←あとから確認できたこと:でも、その前にシュートが決まった時点でひとりこっそりガッツポーズしている流川を確認! そしてミッチーのところへ歩み寄ってた!)
35.円陣
花道負傷からのコートイン。スコアボードを見てから「へい! 来い!」とリョータが全員を集めるシーン。
原作では円陣が組まれたところだけ描かれているけど、映画だと円陣を組むところから描かれている。花道とミッチーの背中に手をそえるリョータ、花道と流川の背中に手を添えて円陣を完成させるゴリ。
ケンカしまくり文句言い合いだったけど、完全に仲間になったシーンが熱い。
36.リョータの声
今回、公開前に炎上した声優一新。アニメ版の声優陣がよかっただけに、ここでがっくりしたのも事実。
でも、観てみると、そんなのほんとにどうでもよくなる作品のよさ。
とくにリョータの声がよかった。
「花道!」「うっせんだよ!」の言い方が、まさにリョータ。
泣く前のこらえる感じもめちゃくちゃよかったです。
37.スラムダンクを20代で描いてたこと
このものすごいストーリーを、井上先生は23歳~29歳で連載してた。天才でしかない。
38.リストバンドの色の意味
1回目鑑賞後、まず確認したかったリストバンドの色。
当時、原作が実家にあったため、すぐには確認できず、新宿バルト9に行ったときに確認。
神奈川県予選では、白×白のリストバンドがインターハイ・豊玉戦から赤×黒のリストバンドになっていた……。鳥肌。
この話、連載当時からあったってこと? だとしたら、今回までずっと井上先生のなかにだけあったってこと?
すごすぎる。自分だったら言わずにいられない。どうなってるんだ……。
39.10-FEET「第ゼロ感」
プレス突破シーンでかかり、「行くぞ、流川!」でかかり、三井が4点プレイを決めるところでピアノ部分、エンドロールでかかる「第ゼロ感」。もうこの曲で泣ける。名シーンがよみがえる。
疾走感あるこの曲が、湘北の走るバスケに合ってたし、曲がリョータとソータ、からのミッチーを思い起こさせる内容になってて素晴らしかった。「熱砂を蹴り抗うのさ」「その腕に約束の飾り」「Swish 着火 you」「雨上がりのシャンデリア」「脳内更地にExtra pass クーアザドンイハビ」……。泣く。
40.私たちを観客にしてくれた
石井くんは私たちの気持ちの代弁者。
「僕の念もこめたから、頼むよ、桜木くん!」
「ぐひん、ぐひん、湘北に入ってよかった」
私たちも同じ気持ちよ。
井上先生が「1億冊の感謝をこめて」と
新聞に全面広告を出したときにあった言葉を思い出した。
ー観客席にいた全ての人へ。ー
座らせてくれて、ありがとう。感謝しかありません。